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2006年02月06日

(株)ニコンより、フィルムカメラ製品ご愛用の皆様へ (その2) および、交換レンズ増産計画 (その2)

(株)ニコンより、フィルムカメラ製品ご愛用の皆様へ (その2)

(株)ニコン(以下、ニコン)が「フィルムカメラ製品ご愛用の皆様へ」と題し発表した2月3日付声明を改めて読み返してみたのですが(2月4日付記事参照)、その冒頭の部分が少し気になりました(以下、抜粋)。

先般、1月11日、弊社は「フィルムカメラ製品のラインアップ見直しについて」お知らせ致しました。この件につきましては主に日本国内で大きく報道され、多数のお客様から様々なご意見、お問い合わせをいただいております。
フィルムカメラから撤退するのかというお問い合わせも少なからずいただいておりますが、〔中略〕基本的に本事業を継続していくことを改めてお知らせ申し上げます。

「主に日本国内で大きく報道され」というのは多分、1月13日付「朝日新聞」に「ニコン、フィルムカメラから撤退へ デジカメに押され」という見出しで掲載された「カメラメーカーのニコンが、フィルムカメラから事実上撤退する」と報じた記事のことなどを指すのでしょうか? まさかその前日、私がこのブログにアップした1月12日付記事のことではありますまい(笑)。

私がその日の記事の最初で「まさしく最後通告だな」と正直な感想を述べ、その後に「トップメーカーがフィルムカメラから事実上の撤退予告」という見出しで話を続けたのは、新聞記事ではなくニコン自らが発表した声明を読み、言葉で記されていなくてもその状況を「事実上の撤退」と受け止めたからです。
もっとも、「見直し」や「縮小」という表現を用いた報道に比べれば、「事実上撤退する」と朝刊1面で断じた「朝日新聞」が日本中に反響を増大させたことは確かでしょう。しかし、「多数のお客様から様々なご意見、お問い合わせをいただいて」の声明再発表にしては、2月3日まで約3週間も時間がかかっています。

そこで、もっと別のきっかけがあるのではないかと自分のブログを読みあさったところ、次の引用が目に留まりました(1月21日付記事参照)。1月21日付「朝日新聞」の「天声人語」からです(以下、抜粋)。

ニコンもフィルムカメラからの事実上の撤退を発表した。こうした流れの中で『撤退しません』という富士写真フイルムのコメントが目についた。
「人間の喜びも悲しみも愛も感動も全てを表現する写真は、人間にとって無くてはならないものであり……その中でも銀塩写真は、その優れた表現力等でデジタルに勝る優位さもあり、写真の原点とも言えるものです」。なかなか熱がこもっている。

これですね、きっと! いや、間違いなく!
他ならぬ「天声人語」で他社の賞賛の引合に出された以上、「業界のリーディングカンパニー」(2月3日付、ニコン発表の声明より)を自負するニコンがそのまま黙っているわけにはいかなかったのでしょう。写真文化への貢献について、2月3日付声明の後半で富士写真フイルム(株)(以下、フジフイルム)と同様の姿勢を示したのは、同業者としての共鳴というより競争意識の表れだったのですね。それでわざわざ、改めて…。

「天声人語」もなかなか罪作りではありますが、そのおかげで今いちばん聞きたかったことを、ニコンから聞けたように思います。

2月4日付記事のはじめに私は、「『写真文化振興の担い手』について、2週間前に私がこのブログへ書き記した問いかけに応じるかのような声明を、業界の一員である(株)ニコンが昨日2月3日に発表しました」と書きましたが、これで私の問いかけに応じたわけではなかったらしいことがほぼ判明いたしました。
いえ、要はそれが言いたかったのです(笑)。

交換レンズ増産計画 (その2)

フォトテクノロジーのデジタル化が進む中、古くから写真産業界をリードしてきたニコンとフジフイルムが相次いで一層の「写真文化」への貢献をアピールしていますが、もう1社同じ意向を表明してきたメーカーを取り上げてみたいと思います。
2月3日付記事で交換レンズ増産計画についてお伝えした、ペンタックス(株)(以下、ペンタックス)です。

2005年2月に開催された米国における恒例の国際映像機材展「PMA(PHOTO MARKETING ASSOCIATION) 2005」出展に際し、ペンタックス上級執行役員イメージングシステム事業本部長の鳥越興さんが日本のITニュースサービス会社、(株)Impress Watch(以下、インプレス)からのインタビューに答え、その中で次のように語られています。

 「デジカメWatch」 PMA 2005 記事リンク集:2005年2月25日付記事
  「写真を撮る文化」をデジタル世界でも定着させたい
  ~ペンタックス 鳥越興 上級執行役員インタビュー

“写真を撮るカルチャー”とは、我々の企業文化そのものでもあるんです。
〔中略〕我々のデジタル一眼レフカメラビジネスは昨年からスタートし、おおよそ3年計画で製品ラインを充実させていきたいと思ってきました。ペンタックスの基本スタンスは“売れる製品を企画する”ことではなく、“写真を撮影するユーザーにとって良いものを”というものですから、時間に拘っているわけではありません。
カメラの世界というのは、ユーザーとメーカーが直接、密にコミュニケーションできる業界だと思っています。ユーザーも写真が好きならば、メーカーも写真文化のために努力を重ねている。そうした部分を活かし、ユーザーからのフィードバックに耳を傾けた製品作りをしたいものです。
〔中略〕デジタルカメラではカメラ屋だけでなく、家電屋さんも参入しました。彼らの経営手法はとても速い。そのスピードは我々にとっても多いに参考になりました。これにより、従来型のカメラベンダーのビジネスモデルは根底から変化しなければならなくなりました。
デジタルの世界で進化の速度が上がることは仕方がありません。企業として、その速度には対応していかなければならない。しかし、だからといって製品をコロコロと変えていては本当の意味でのカメラユーザーは育ちませんし、ついてきてくれないでしょう。我々が脈々と持ち続けてきたカルチャーは、そのまま今後も保ち続けるつもりです。

インプレスからの「どのインタビューでも、デジタル一眼レフカメラ市場全体の過熱ぶりについて伺っているのですが、この点をどのように見ていますか?」との問いに、「確かにやや過熱気味だと思います。フォトカルチャーに携わっている企業人として、あまり熱を出しすぎて業界が倒れてもらっても困ります。我々は元々、一眼レフカメラのメーカーとして成長してきた経緯がありますから、この分野への思いは人一倍あるつもりです。その思いを活かしていきたいですね」と答えられたところから始まる、鳥越さんの熱いメッセージの一端をご紹介させていただきました。

さて、見出しに「交換レンズ増産計画 (その2)」と掲げたので、ペンタックスが今後どのようなレンズを送り出すかについても触れなければなりません。同社には描写にもデザインにも、また仕上げにもこだわった高品位レンズシリーズがあります。最後に、「Limted」と刻印されたそのシリーズに対するメーカーとしての考え方を、鳥越さんへのインタビューからご紹介したいと思います。

ある意味、Limtedレンズのような商品は、我々のような小規模なメーカーにしか出来ないと思っています。Limitedが追っているユーザー層は、決して“マス”ではありませんから、マスをターゲットにしたメーカーはシリーズ化できないでしょう。これは我々の会社だからこそ、という特長だと捉えていますから、今後も拡充させていきます。

ニコン、フジフイルム、そしてペンタックス

デジタルカメラを製造しているメーカーは今挙げたほかにも数多くあるはずですが、機会ある度これほどまでに自らを「写真文化(フォトカルチャー)」に携わる企業であるとアピールしているメーカーは、なかなか見当たりません(広く文化全般を対象にアピールする企業の方が多いせいもあるかと思いますが)。そしてなぜか、私がこれまで好んで使用したカメラやレンズ(大判カメラ用も含む)は、奇しくもこの3社の製品が圧倒的に多いのです。デジタル一眼レフにしても同じです。不思議な縁だと思います。

私が写真を撮るための道具に求める理想とこれら3社のそれとの間に、どこか相通じるものがあるのか。それとも私がこれら3社に知らず知らずのうちに洗脳されてしまったのか(笑)。
「写真文化」が時代の転換期を迎え、大波打ち寄せる中、なにやら同じ箱舟に乗ってしまったような感も無きにしも非ずですが、果してその行く末や如何に? まさに神のみぞ知る、であります。

項目: 写真・カメラ

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